粉瘤・脂肪腫|谷町線天満橋駅すぐの形成外科|天満橋ほりお形成外科|大阪市中央区

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粉瘤・脂肪腫

粉瘤・脂肪腫|谷町線天満橋駅すぐの形成外科|天満橋ほりお形成外科|大阪市中央区

粉瘤(アテローム、表皮嚢腫)

粉瘤(アテローム)とは

粉瘤(アテローム)

粉瘤は、正式な病名は表皮嚢腫という良性腫瘍で、アテロームとも呼ばれます。一般的には毛穴の出口が角栓によって塞がって、中に皮膚の老廃物(垢や皮脂成分)が溜まってシコリを作ってしまうものです。毛穴が原因の腫瘍ですので、全身のどこにでもできる可能性がありますが、手のひら、足の裏は毛穴がないのでできません。ただし、外傷性に(ケガなどが原因)皮膚がまくれ込んだような状態の傷跡には発生することがあります。
皮膚の断面を見ると、毛穴の構造は上皮成分が皮膚の中にまくれ込み、袋を作っているような構造です。皮膚は日々ターンオーバーを繰り返し、不要となった古い成分が垢として落ちていきます。毛穴の袋の中でもその作用は日々行われていて、通常は毛穴から垢は出ていくのですが、なんらかの原因で袋の出口である毛穴が詰まると(角栓)、排出されない垢や皮脂が袋(嚢胞壁)の中に溜まってしまうのです。
シコリがまだ小さいうちであれば、隙間から少しずつ内容物が排出されて自然に治ることもありますが、ある程度大きくなると内部で内容物が固まってしまい、もう自然に排出されることはなくなります。袋内部の上皮からは日々垢が産生されるため、経過とともにどんどん大きくなってしまいます。

症状

通常の粉瘤自体に特に症状はありません。たいていは見て、触って気付かれることが多いです。小さいうちは特に気にならなかったものが、大きくなってきて初めて病院を受診する方も多いです。特に背中などは、ご自身では見えにくく、よく触る部位でもないため、気付かれないまま大きくなる傾向があります。
「見た目が気になる」「今後も大きくなっていくものなのか?」「悪いものでないかが心配」という主訴で来院される方が多いです。かかりつけ医の先生に相談したところ、「いわゆる脂肪のかたまりだから心配ない」と言われ放っておいたという声をよく耳にしますが、どんどん大きくなっていくものでもありますし、後述するような炎症、感染状態になってからでは大変なので、気になるのであれば早めに受診をお勧めします。また、稀ではありますが、摘出した腫瘍を病理組織検査に出してみたら悪性の腫瘍だったということもありますので、適切な診断と治療が必要です。

手術(保険治療)

粉瘤の治療は基本的に局所麻酔で行なう手術となります。手術の目的は、皮膚の老廃物が溜まった袋(嚢胞壁)を完全に取り除くことです。一般的には原因となる毛穴部分を中心に、シコリの直径の長さだけ細長く皮膚を切り取り、中身の詰まった袋(嚢胞壁)ごと摘出します。しかしこれでは大きなシコリほど大きな傷跡を残すことになりますので、当院では可能な限り小さい切開から腫瘍を取り出す方法を行っています。シコリをそのままの大きさで摘出しようと思うと、小さな切開からでは出てきませんので、小さな切開を加えた後にまず中身を絞り出します。ある程度中身を出してやると中の袋がしぼむので、そのしぼんで小さくなった袋を小さい切開部から取り出します。これにより傷跡も小さくてすみます。

<手術時期>

前述のように、粉瘤は放っておくとどんどん大きくなることが予想されるので、ある程度の大きさでお気付きになったら、手術で摘出してしまう方が良いでしょう。「もう少し大きくなるまで様子を見る」という選択もできますが、大きくなってからではその分手術も大変になってきますし、傷跡も大きくなってしまう可能性があります。また、粉瘤が細菌感染などで炎症を来してしまうと、皮下で袋の壁が破れてしまい、周辺に垢などの内容物が散らばることでより大きなシコリとなってしまいます。

<手術の流れ>(5分~15分程度)

・切開線のマーキング
・局所麻酔:当院では可能な限り細い針を用いて局所麻酔を行います。
      なお、止血効果のある薬剤添加の局所麻酔剤を用います。
・切開:可能な限り小さい切開でいきます
・摘出:嚢胞壁、内容物が残ると再発の原因になりますので、完全に摘出します。
・止血:術後に血腫が溜まらないように完全に止血します。
・縫合:傷を閉じるために糸で縫合します。形成外科専門医の腕の見せどころです。

炎症性・感染性粉瘤について

粉瘤は、そのままの状態であればただのシコリとして見た目の問題以外特に悪さはしませんが、これが一旦細菌感染などで炎症を来すと、嚢胞壁(毛穴の袋)が皮下で破れてしまい、中身が皮膚の下で散らばってしまいます。そうすると散らばった先々に炎症が波及し、シコリ自体が急速に大きくなってきます。炎症に伴う腫れも来すため、このような状態になると痛みが強くなってきます。腫れが最高潮に達すると、表面の薄くなった皮膚が破れ(自壊)、中に溜まった皮膚の老廃物や膿(ウミ)がドロドロと外に流れ出します。長年蓄積した垢に膿が混じった内容物は非常に臭く、衣服も汚れるため、このような状態になった場合は至急病院を受診してください。

<炎症性粉瘤・感染性粉瘤の治療>

治療には、抗生物質などの内服、切開排膿処置、摘出手術があります。
炎症がまださほど強くない状態であれば内服治療で様子を見ることもできますし、完全摘出が見込める場合は手術を行います。
しかし炎症が強く大きく腫れている状態のものは、完全に切除しようとすると、傷跡も大きくなります。こういう状態のものは局所麻酔下に切開し、できるだけ中の膿や内容物を排出させます(切開・排膿処置)。切開した傷はそのまま閉じずに開けておき、炎症の出口を作っておきます。炎症が治まってくると、数日から1週間ほどで傷は自然に閉じてきます。しかしこれはあくまでも応急処置で、炎症や感染状態が治まった後に、残ったシコリを摘出する必要があります。(→通常の粉瘤の手術を行う)

脂肪腫(リポーマ)とは

文字通り脂肪の腫瘍です。ほとんどは良性ですが、稀に悪性のもの(脂肪肉腫)もあります。主に皮下脂肪のレベルで発生し、薄い被膜(ひまく)に覆われて独自に成長していきます。全身のどの部位にも発生する可能性があります。小さいうちは気付かれないことも多いですが、大きくなってくると皮膚の下のシコリとして触れるようになります。背中など、ご自身でなかなか触れることがない部位に生じると、かなり大きくなってから気付くこともあります。発生原因は明らかになっていませんが、遺伝子や生活習慣との関連も示唆されています。通常は単発で生じることが多いですが、全身の複数か所に生じる「多発性脂肪腫」の方もおられます。また皮下のみならず、筋膜下、筋間、筋肉内に生じることもあります。基本的には消えてなくなることはないので、気付かれたら大きくなる前に摘出手術を受けられることをお勧めします。

症状

脂肪腫自体には通常症状はなく、皮下に触れるやわらかいシコリとして気付かれることが多いです。ただ類似疾患に血管脂肪腫というものがあり、これは押さえると痛い(圧痛)ことが多く、多発する傾向にあります。

手術(保険治療)

脂肪腫は、縮小したり消えてなくなることはなく徐々に増大するものですので、見つけた時点で摘出の手術を受けられることをお勧めします。手術の目的は、皮下に存在する脂肪腫を完全に摘出することです。一見、正常の皮下脂肪と区別が付きにくいですが、多くは薄い被膜に覆われていて、その被膜に沿って腫瘍を分けていきます。再発する例もあるようですが、多くは手術時の取り残しが原因ではないかと考えていますので、完全に病変部を取り除くことを十分意識して手術は行います。
通常の大きさであれば、局所麻酔で日帰り手術を行うことができます。ただし、あまりにもサイズが大きいもの、筋肉内など深いレベルに存在することが疑われるものは、提携の医療機関での手術をお願いすることがあります。

<手術の流れ>(5分~15分程度)

・切開線のマーキング
・局所麻酔:当院では可能な限り細い針を用いて局所麻酔を行います。
      なお、止血効果のある薬剤添加の局所麻酔剤を用います。
・切開:可能な限り小さい切開でいきます
・摘出:病変部が残ると再発の原因になりますので、完全に摘出します。
・止血:術後に血腫が溜まらないように完全に止血します。
・縫合:傷を閉じるために糸で縫合します。形成外科専門医の腕の見せどころです。